「愛多ければ憎しみ至る」とは?
~好きな気持ちが強すぎると、嫌いな気持ちにも変わることがある~
「愛多ければ憎しみ至る」とは、
「人や物を好きな気持ち(愛)が強すぎると、何かあったときに、とても嫌いになってしまうことがある」
という意味です。
つまり、
大好きだからこそ、裏切られたと感じると、とても悲しくなったり、怒ったりすることがある。
ということを教えてくれる言葉です。
わかりやすい例① 友だち
たろう君には、とても仲の良い友だちがいました。
いつも一緒に遊び、「一番の友だちだ!」と思っていました。
でも、ある日、その友だちが別の友だちと遊んでしまいました。
たろう君は、
「ぼくと遊んでくれない!」
と思って、とても悲しくなり、その友だちが嫌いになってしまいました。
これは、
大好きだったからこそ、悲しみも大きくなったのです。
わかりやすい例② ペット
犬をとても大切に育てている人がいます。
ある日、犬が大切なぬいぐるみをかじってしまいました。
とても大事に思っていたので、
「どうしてそんなことをしたの!」
と強く怒ってしまいました。
愛情が深いほど、感情も大きくなることがあります。
わかりやすい例③ スポーツ
野球チームをとても応援している人がいます。
試合に負けると、
「もう応援したくない!」
と言ってしまうことがあります。
それは、本当はそのチームが大好きだからです。
興味がなければ、そこまで悔しくなりません。
このことわざが伝えたいこと
このことわざは、
「愛してはいけない」という意味ではありません。
そうではなく、
「好きな気持ちが強すぎると、気持ちが大きくゆれ動くことがあるので、相手を思いやる心も大切にしよう。」
という教えです。
人はみんな失敗します。
だから、
「失敗してもすぐに嫌いになる」のではなく、
「どうしてそうなったのかな?」
と考えることも大切です。
まとめ
「愛多ければ憎しみ至る」とは、
- 大好きな人ほど、傷つくこともある。
- 愛情が強すぎると、悲しみや怒りも大きくなることがある。
- 相手を許したり、思いやったりする気持ちも大切である。
ということを教えてくれることわざです。
小学5年生向けに一言でいうと
「大好きな人だからこそ、少しのことで悲しくなったり、怒ったりしてしまうことがある。だから、気持ちを落ち着かせて相手を思いやることが大切だよ。」
このことわざは、人の心は「好き」と「嫌い」がまったく別ではなく、とても強い気持ちは、ときには反対の気持ちに変わることもあるという、人間の心の不思議を教えてくれる昔からの知恵なのです。

気持ちを落ち着かせて相手を思いやる5つの方法
① まず深呼吸をする
怒ったり悲しくなったりすると、心の中は大あらしになります。
そんなときは、
- 鼻からゆっくり息を吸う
- 口からゆっくり息をはく
これを3~5回くり返します。
すると心が少し落ち着いてきます。
ポイント
「すぐに言い返さない」ことが大切です。
② 10秒だけ待つ
怒っているときは、思ったことをすぐ言いたくなります。
でも、その前に
1・2・3・4・5・6・7・8・9・10
と数えてみましょう。
10秒待つだけで、
「言わなくてよかった。」
と思うことがたくさんあります。
③ 相手の気持ちを考えてみる
こんな質問を自分にしてみましょう。
- どうしてそんなことをしたのかな?
- わざとだったのかな?
- 何か困っていたのかな?
- 自分だったらどう思うかな?
相手にも理由があるかもしれません。
④ 「もし自分だったら」と考える
例えば、
友だちが失敗してしまいました。
そのとき、
「なんでそんなことしたの!」
ではなく、
「もし自分が失敗したら、何て言ってほしいかな?」
と考えてみます。
きっと、
- 「大丈夫?」
- 「気にしないで。」
- 「一緒にがんばろう。」
と言ってもらえたらうれしいですよね。
⑤ やさしい言葉を選ぶ
同じ気持ちでも、言い方を変えるだけで相手は安心します。
例えば
❌
「もう知らない!」
⬇
⭕
「少し悲しかったよ。」
❌
「なんでそんなことしたの!」
⬇
⭕
「どうしてそうしたの?」
❌
「きらい!」
⬇
⭕
「今は少し怒っているよ。」
やさしい言葉は、相手だけでなく、自分の心も落ち着かせます。
思いやりの「3つの魔法の言葉」
困ったときは、この3つを思い出しましょう。
😊 「大丈夫?」
😊 「ありがとう。」
😊 「ごめんね。」
この3つの言葉は、人との仲をよくする力があります。
まとめ
気持ちを落ち着かせて相手を思いやるためには、
- 深呼吸をする。
- 10秒待つ。
- 相手の気持ちを考える。
- 「もし自分だったら」と考える。
- やさしい言葉を選ぶ。
この5つを心がけることが大切です。
小学5年生へのメッセージ
「怒ることや悲しくなることは、だれにでもあります。でも、その気持ちを少しだけ落ち着かせて、『相手はどう思っているかな?』と考えられる人は、本当の意味でやさしい人です。思いやりは、毎日の小さな行動や言葉から育っていきます。」
実は、「相手はどう思っているかな?」と考える力は、想像力(イメージする力)です。この力は、生まれつき決まっているものではなく、毎日の練習で少しずつ育てることができます。
「相手はどう思っているかな?」と想像する方法
① 自分が相手になったつもりになる
一番簡単な方法は、
「もし自分が相手だったら?」
と考えることです。
例えば、友だちが宿題を忘れて先生に注意されていました。
そのとき、
「なんで忘れたんだろう。」
ではなく、
「もし自分だったら、どんな気持ちかな?」
と考えてみます。
すると、
- はずかしいな。
- 先生に怒られて悲しいな。
- 助けてほしいな。
など、いろいろな気持ちが思い浮かびます。
② 相手の表情を見る
人は言葉だけでなく、顔でも気持ちを伝えています。
例えば、
😊 にこにこしている
→ うれしい
😢 泣きそう
→ 悲しい
😠 眉毛が上がっている
→ 怒っている
😟 下を向いている
→ 困っている
表情を見るだけでも、気持ちを想像しやすくなります。
③ 「どうして?」を3回考える
例えば、
友だちが今日は話しかけてくれません。
そこで、
どうしてかな?
↓
もしかして体調が悪い?
↓
どうして体調が悪いのかな?
↓
昨日あまり眠れなかったのかな?
このように、
「どうして?」
を何回か考えると、自分勝手な決めつけをしにくくなります。
④ 決めつけない
例えば、
友だちが返事をしませんでした。
すぐに
❌
「ぼくのことが嫌いなんだ!」
と思ってしまう人がいます。
でも、本当は、
- 考えごとをしていた
- 聞こえなかった
- 急いでいた
- 体調が悪かった
かもしれません。
一つだけではなく、
「ほかにも理由があるかもしれない。」
と考えることが大切です。
⑤ 相手に聞いてみる
想像することは大切ですが、
本当の気持ちは本人にしか分かりません。
だから、
「何かあった?」
「大丈夫?」
「困ってる?」
と聞いてみることも、とても大切です。
思いやりとは、
勝手に決めることではなく、相手を知ろうとすることなのです。

想像力を育てる練習
毎日こんなゲームをすると、想像力が育ちます。
お買い物で
スーパーで赤ちゃんが泣いています。
どうして泣いていると思う?
考えてみましょう。
答えは一つではありません。
例えば、
- おなかがすいた
- 眠たい
- 暑い
- 抱っこしてほしい
どれも考えられます。
学校で
友だちが一人で座っています。
どうしてかな?
考えてみましょう。
- 本を読んでいる
- 少し疲れた
- おなかが痛い
- 一人になりたい
いろいろな理由があります。
「思いやりの3つの質問」
何かあったときは、この3つを心の中で聞いてみましょう。
① もし自分だったら、どんな気持ちかな?
② 相手はどうしてそうしたのかな?
③ ほかにも理由はあるかな?
この3つを考えるだけで、相手の気持ちを想像しやすくなります。
最後に
思いやりとは、「相手の心を決めつけること」ではなく、「相手の気持ちを知ろうと努力すること」です。
相手の気持ちは、心の中にある「見えない宝物」のようなものです。だから、すぐに「こうに違いない」と決めるのではなく、「もしかしたら、こんな気持ちかもしれない」と想像し、必要なら優しく聞いてみることが大切です。
「もし自分だったらどう思うかな?」と考えることが、思いやりの第一歩。そして、「本当はどう感じているの?」と相手の話に耳を傾けることが、思いやりの第二歩です。この二つを大切にすると、人とのつながりは少しずつ深まっていきます。


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