明日のパフォーマンスを全開にする快眠処方箋60
コンセプト
「あなたのよりよい眠り」につながる60の気づき。
本の目次
はじめに
もっと「ぐっすり」チェックリスト
第一章 ぐっすりに備えて、心を整える
第二章 ぐっすりに備えて、体を弛める
第三章 ぐっすり眠って、ぱっちり目覚める
第四章 ぐっすり眠って、パワー全開で1日を過ごす
第五章 ぐっすりのために、寝具を考える
第六章 ぐっすりのために、寝室環境を見直す
おわりに
【おすすめの読者】
子供の頃のようにぐっすり眠りたいと悩んでいる人。
夜中に覚めて、眠りが中断すると悩んでいる人。
朝、スッキリ気持ちよく起きられない人。
ベッドに入ってもなかなか寝付けない人。
まとまった時間眠れなくなった人。
快眠のために色々試したい人。
睡眠不足を思い悩んでいる人。
睡眠負債が気になる人。
【ぐっすりに備えて、心を整える】
その1 小さな「よかった」をいくつも数えて頭と心をリラックスさせよう
その2 「〇時間寝ないと!」、のプレッシャーから自分を解放しよう。
その3 「これをしたら眠れる」「これをしないと眠れない」という決まりごとを決めよう
その4 寝る前は、頭のなかをデトックスして緊張をとこう。
日記を書いて1日のできごとを整理する。
なかなかストレスで眠れないときは泣く。
泣ける本や漫画でもよし。
泣くと交感神経から副交感神経に切り替わり、すっきりしてボォーとしてくる。
その5 眠くなるまでの時間は体をじんわり温めながらリラックスして過ごそう。
眠くなるまでベッドに入らない手もある。
その6 寝る前の音楽は「よく知っている、好きな曲」を静かに流すのがコツ。
その7 夜のひと時、眠りを誘う効果のあるアロマでリラックスしよう。
鎮静効果のあるラベンダー、カモミール、ネロリなどや体温低下を誘うベルガモットもおすすめ。
その8 蚊は夕方から寝るまでに退治、ダニは布団を天日干しや、布団乾燥機で徹底的に殲滅しよう。
その9 今どきのお笑いと、古典落語の名調子。2段構えで眠りを呼ぼう。
笑いは泣くことと同じで快眠の味方。
大笑いは横隔膜や腹筋を動かすので、呼吸が深くなり、体温が上昇する。
第1段、お笑い番組・DVDで大笑いして体温を上昇させる
第2段、ベッドでは眠り効果が高い古典落語の名調子にを委ねて静かに眠る。
その10 眠りの常識のなかには怪しいものがいっぱい振り回されないように注意しよう。
「ホットミルクを飲むと安眠できる」
「目をつぶっているだけで、実際の眠りの70%の効果がある」
「睡眠のゴールデンタイムは22時から2時まで」など
その11 「眠れる本」と「目覚める本」の違いを知って、上手に活用しよう。
眠れる本のキーワードは
「重くない」
「長くない」
「既知のストーリー」
「仕事に関連しない」
「非日常」です。
その12 眠れないときは焦っても無駄。思い切って、起きて好きなことをやろう。
テレビ・パソコン・ゲームはNG
【ぐっすりに備えて、体を弛める】
その13 寝る前に体をゆっくりじんわり温めれば、自然に眠気がやってくる。
指先、足先が冷えていると眠れない。
体内の中心部分の温度を下げることで眠気がやってくる。
手足や体表が冷えていると血管が開いていないので体内中心部分の温度が下がらない。
ベストな方法は「ぬるめのお風呂に、ゆっくり入る」こと。
その14 「寝るとき専用の服」に着替えると、体が安眠モードに切り替わる。
その15 寝る2時間前になったらパソコン、スマホ、電子ブックの画面は見ない、と決めよう。
その16 体を動かすと、心もほぐれる。寝る前の1分でゆったりモードに切り替わろう。
①膝を立て、両腕を交差させて肩を抱く。肩甲骨と肩甲骨の間を広げて、上から見たときの背中が丸いラインを描くような感じで。
②その状態でゆっくりと左右に転がる。背中全体を布団に触れさせるようなイメージで、ゴロゴロ、ゴロゴロ。
③これを、10往復繰り返す。
緊張して固くなっている筋肉がほぐれ、体から布団にかかる圧力が点状から面になるので、ゆったり布団に委ねられて寝心地は最高に。
その17 深く大きく呼吸してお腹から声を出せば眠りやすい体を作れる!
寝る前に深呼吸をしっかり10回繰り返す。
横隔膜が下がりリラックス状態に。
同時に声を出すと効果大。
その18 寝るときの姿勢にこだわらない。自由に、眠りやすい姿勢で寝よう。
その19 寝る前の5分のツボ押しで、頭の中の興奮状態をピタリとおさめよう。
①百会 左右の耳を結んだ線上の、頭頂部の真ん中、両手の中指を立てて、
真下に向かって押しましょう。
②安眠 耳の後ろの骨の出っ張りの下を押すと、「痛い」と感じるでしょう。
そこを親指で5~6回押します。
③風池 首の付け根の、背骨の両脇のくぼみ。両手の親指を当ててぐっと押し込むと、
リラックス効果と同時に、肩コリや、首コリにも効果大。
④ 失眠 かかとの中央。ツボ押し棒で押すか、青竹踏みでも効果あり。
その20 良い眠りのためにはパートナーの協力も必要。
夫婦、家族単位で快眠を目指そう。「歯ぎしりしてた」「寝言言ってた」「いびきかいていた」「歯ぎしりしてた」など睡眠状態を確認し合いましょう。
その21 せっかく眠気がきたのに用事をするのはもったいない。
寝室でメイク落としに化粧水。寝不足になるよりまし。手抜き上等の心構えでいこう。
歯磨きはマウスウォッシュなど眠気を逃さないようにしましょう。
その22 人はそれぞれ、顔のどこかに「覆うと安心できるポイント」を持っている。
顔の「ネムネムポイント」に布の感触があると安心して眠れます。
その23 ゆっくり風呂に入る時間がないときはシャワーで首の後ろを温めよう。
手足が温まり、その後体温を下げやすくなり、快眠モードになりやすくなります。
その24 お酒を眠りの敵にしないコツ。
お酒を楽しんだら夜中に目覚めることを前提にすぐ眠れるように準備しましょう。
水を枕元に置く。フットライトでトイレに行くときに電気を点けないようにする。
冬は何か羽織れるものを準備する。
◎コラム1
睡眠は、発達した大脳を効果的に休ませるための進化による生命現象と考えられる。
眠る脳→大脳
眠らせる脳→脳幹
人は大脳による意志力で脳幹からの指示を無視することが可能。
自分にとって必要な睡眠時間を把握することが大事。
徹夜など人は意志の力で睡眠を削ることができるので体内時計のリズムが乱れやすい。
レム睡眠→情報整理・記憶定着
ノンレム睡眠→大脳の機能を休ませる「休息」
脳は睡眠時間が短くなるとレム睡眠よりもノンレム睡眠を優先させるので、整理・定着がうまくいかずに仕事や学習に障害がでてくる。自分にとって必要な睡眠時間を把握し、確保することが大事。できれば脳幹からの指示を無視しないことが肝要。リズムが崩れないように意識的に整えるように心掛けましょう。
【ぐっすり眠って、ぱっちり目覚める】
その25 1分でスッキリ覚醒!朝の「ぱっちりヨガ」
「魚のポーズ」が簡単で効果的。
眠いときは布団の中で動きましょう。
その26 朝日をしっかり浴びるとその瞬間にパッチリ、約16時間後にぐっすりできる。
朝一番、カーテンを開けよう!
その27 休日は睡眠リズムを崩さないようにしましょう。寝だめに注意しましょう。
その28 朝、起きるのが楽しみになるような仕掛を用意しよう。
その29 起き抜けに水を体に流し込んで胃腸を目覚めさせよう。
起き抜けの口中は雑菌が多いので最初に口をすすぎましょう。
その30 朝のシャワーは、ツライ朝を乗り切る最終兵器。高めの水温でシャッキリ起きよう!
その31 「90分の倍数で寝るべし」は単なる通説。気にする必要はありません。
その32 家事も仕事も、「今日中に」こだわってはダメ。
明日できることは明日しましょう。
その33 朝食のメニューは「固め」が理想。しっかり嚙んで脳を起こそう。
嚙むことで体を活性化させ、心のバランスを整えるホルモン「セロトニン」の分泌が促されます。
その34 急激な生活改善はリバンドのモト。リズムは少しづつ整えよう。
【ぐっすり眠って、パワー全開で1日を過ごす】
その35 日中の活動と夜のプチ運動で、眠りモードを準備しよう。
眠りは活動のモト、活動は眠りのモト。
その36 食べ物をお腹に入れるのは寝る3時間前までにしましょう。
その37 昼の眠気は不可抗力。午後を元気に過ごすためにガマンせず、昼寝しよう。
体内時計にはいくつか種類があります。半日周期のリズムが昼の眠気の要因です。
1時間以上、寝ないようにしましょう。
その38 オフィスでの運動は椅子を利用しよう。座ったままでも体は動かせる。
足上げなど椅子を固定して行うと効果倍増!
その39 おしゃべりしたり、笑ったり。声を出すコミュニケーションで心の運動をしよう。
昼間に体を動かしたり、声をだしたり、笑ったり、驚いたりした方が、夜ぐっすり眠りやすくなります。
その40 会議30分前のコーヒーは「目覚めタイマー」。
熱い飲み物で眠い時間を乗り切ろう。
その41 日光を浴びて、セロトニンをたっぷり生成すれば、日中はバリバリ働けて、夜はぐっすり眠れる。
日光を浴びると体内時計のリズムを約24時間にリセット。体を活性化させ心のバランスを整えるホルモン「セロトニン」の分泌が増加します。セロトニンは睡眠のリズムを整える「メラニン」の原料にもなります。
その42 夕方のうたた寝はご法度。「睡眠欲求」をしっかりため込んでから寝よう。
その43 帰りの電車では眠らない。
仕事モードを一気に切らない。眠りのタイミングがズレる。オンタイムのスイッチは徐々に切ろう。体内時計による睡眠リズムは「目覚めから16時間後」と「お昼どき」夕方から夜は「覚醒モード」。仕事帰りの電車の中の居眠りは体内時計とは別物です。
◎コラム2
眠りは年齢とともに変化します。眠りも年を取ります。一般的に40代は眠りの曲がり角といわれます。ノンレム睡眠のうち、深い睡眠段階は40代から減少し、70代でほとんどなくなります。夜中に目覚める中途覚醒も50代から急に増えはじめます。年齢とともに睡眠時間や睡眠構造自体も変化します。若いころと同じように眠りたいと考えないことです。また、睡眠は個人差があり、加齢による影響を受けない人もいるので、他人と比較しないことも大事です。今の自分の生活、活動量等で判断し、今の自分にとっての最高の睡眠を求めるようにしましょう。日本には四季があり季節の変化にも影響を受けます。
【ぐっすりのために、寝具を考える】
その44 寝入りばなに出る汗をしっかり吸い取るパジャマを選ぼう
寝ているときの汗はコップ1杯分。睡眠中の汗は不感蒸泄といって気体に近いもの。汗には変わりはないので吸湿性の高い「棉」がベストです。夏場が麻でもOK。フリースは避けた方がいいでしょう。
その45 寝具を干すならまず枕から。
寝具の中で優先度が一番高いのは「枕」です。就寝中の汗は主に頭から出ます。次は敷き布団、最後に掛け布団です。「寝具は陰干しでOK」。湿気を飛ばすだけで十分です。数日に1回枕だけ干す。時短布団干しです。
その46 冷やすときも、温めるときも「体全体」はNG。
暑さ寒さ対策の快眠寝具も要注意。手足まで冷やしてしまうと体の中の深部温度の逃げ口がなくなり、眠ることができなくなります。電気毛布も全身を温めてしまうと皮膚が乾燥し、かゆみなどのトラブルも。体温調整能力にも支障がでます。電気毛布は寝る前に温めて置き、寝るときはOFFにしましょう。
その47 夏の寝具選びは「暑さ対策」と同時に「湿気対策」も万全に。
布団の中の温度は年中、33度前後。湿度は春・秋・冬が40~60%。夏はなんと80から90%!
シーツや掛け布団は機能性だけではなく、「吸湿性」「通気性」に優れたものを選びましょう。
その48 冬の寝具選びは掛け布団よりもシーツにひと工夫を。
あったか効果の秘訣は毛布や掛け布団ではなく敷き寝具にあります。敷き布団やシーツに厚みを持たせる方が掛け布団や毛布を重ねるよりも温度が断然上がります。敷き寝具の素材は棉パイル、ウール、棉ネルなどの天然素材がおすすめ。注意点として掛け布団が羽毛やシルクの場合、毛布はその上にかけましょう。
その49 寒い日の寝床のお供。湯たんぽと靴下。
湯たんぽは全身を温めないので体の体温調節機能を低下させる心配はありません。
靴下はゆるめのゴムを選び血流を確保しましょう。寝入ってしまう直前に脱ぎましょう。
その50 寒い日の寝床のお供。氷枕、保冷剤。
保冷材はピンポイントで使用すると効果的です。首の横、わきの下、足の付け根など。
首の後ろは神経が集中しているので冷やさないように注意しましょう。夏はそばがら枕とパイプ枕が最適です。ひんやり感覚と吸湿性、通気性に優れています。
その51 睡眠計を使って自分の眠りを分析しよう。
最新のテクノロジーで、自分自身の睡眠状態を把握して改善していきましょう。人の眠りも千差万別です。
【ぐっすりのために、寝室環境を見直す】
その52 小さな心配事は、小さな工夫でシャットアウトできる!
「やってしまった」「困った」「できるか不安だ」などは頭から追い出して寝ることに専念しましょう。考えてもどうにもならないこと意味がないことは考えないようにしましょう。
その53 エアコンを上手に使う。夏編。
扇風機、サーキュレーターを回して室内の空気を循環させましょう。
「そこそこの低温で風が循環している方」が「すごく低温で無風」よりも快適です。
その54 エアコンを上手に使う。冬編。
保温は寝具に任せ、エアコンは援護に徹するのが、乾燥しすぎを防ぐコツ。
冬の寝室の適温は16~19度です。
それ以上、温度を高く設定すると、乾燥に拍車がかかり、寝つきが悪くなります。
その55 寝具の周囲をゆるやかに仕切って「小さな安心空間」を作ろう。
天蓋や蚊帳の感じでベットの前にパーテーションを置く、天井から布を垂らすなど、自分だけの安眠空間を作りましょう。
その56 小さな気分転換で、寝室のマンネリを吹き飛ばそう。
ヨーロッパでは複数の枕を並べて寝るのがポピュラーな方法です。
重ねて身を起こし気味で寝たりするだけでも寝つきが良くなる可能性があります。
その57 夜中に目が覚めたときは、ほんのり優しい光で眠気をキープしよう。
夜中に起きてトイレに行くときは、電気を点けなくていいようにフットライトを設置しましょう。
眠る1~2時間前から「メラトニン」という眠りのリズムを整えるホルモンが分泌されます。
リビングの400ルクス程度の光でもこのホルモンは抑制され、その後の睡眠に影響がでます。
その58 家の中の暖かいところと涼しい場所を季節に応じて使い分けよう。
家の中の温度は部屋によって大きく違います。それを柔軟に活用しましょう。
その59 窓に緑のカーテンをかける。
窓や外壁をツル性の植物で覆うと、室温が最大4度近く下がったケースもあるそうです。
その60 手持ちの電灯を間接照明にしてみよう。
スムーズに眠りをさそうには数時間かけて徐々に暗くする方が効果的です。
ひとつずつ家の中の電気を消していきましょう。
天井灯の代わりに間接照明にしましょう。
デスクライトを壁に向けたり、床置きの照明に傘をかぶせるだけでOKです。
【まとめ】
眠りのヒント60連発。工夫次第で睡眠は改善できる思います。今の自分の睡眠を知る。加齢とともに睡眠の質も低下します。成長とともに体が変化するように、睡眠も変化するようです。世の中どんどん便利になっていますが、睡眠はなかなか思うようになりません。科学が進歩してもまだまだ未解明なところが多く、睡眠も研究が進むにつれ今までの科学的根拠が覆される可能性もあります。産業革命以前のヨーロッパでは分割睡眠が当たり前だった可能性があるそうです。一度寝て夜半に起きて1時間ほど活動してまた寝る生活。現代人の「眠れない」「起きれない」といった睡眠の問題は、人間本来の個々の睡眠リズムに合わせるのではなく、社会の要請に合わせて睡眠を取らなければいけないところに一番の原因があるのかもです。睡眠を取り巻く様々な要因を前向きに捉え、眠りに当てられる時間を快適に有効に使えるようにしていくことが大事だと著者は提案しています。
【著者紹介】
鍛冶 恵(かじ めぐみ)
1989年、ロフテー株式会社入社。
快眠スタジオにて睡眠文化調査研究業務に従事。
1999年、睡眠文化研究所に移動。
主任研究員を経て2009年まで同研究所所長を務める。
睡眠文化調査研究、睡眠文化フォーラムなど指揮をとる。
2006年、睡眠改善インストラクター認定。
2009年、ロフテー退社後、2010年、NPO睡眠文化研究会を立ち上げる。
【出版情報】
著者 鍛冶 恵
発行日 2013年8月25日
発行所 株式会社新潮社
定価 本体1200円+税
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